日本株 2007 11 22
株式投資は、ギャンブルではありません。
しかし、現状は、ギャンブルに近い状態です。
どうしてか。
それでは、こうしたケースを考えてみましょう。
最近の株安で、業績に比べて、株価が割安な銘柄が増えてきました。
たとえば、PERが10倍前半の銘柄が増えて、
中にはPERが10倍未満の銘柄もあります。
次は、日足チャートを見てみると、
明らかに売られすぎで、最近は「下に長いひげ」が出て、
底値のような感じが出ているとします。
出来高も、急増しています。
これも底値を示すサインと言われます。
さて、ここで、実際に株を買ってみると、どうなるか。
これは、まったく教科書どおりの投資行動で、問題ないと思われます。
しかし、株価は急落しました。
なぜか。
それは、米国株式市場が急落したから。
最近は、どんなに業績がよくても、
どんなにチャートの形がよくても、
米国株式市場が急落すれば、問答無用で、株価が下落してしまいます。
要は、米国株式市場次第です。
しかし、米国株式市場が上がるか下がるかは、誰も予想できませんから、
これでは、丁か半かのバクチをやっているのと同じです。
外国人投資家も、これでは、困るでしょう。
日本株が米国株式市場に連動するならば、日本株はリスクヘッジにはなりません。
そもそも、日本株が、そういう動きならば、
はじめから米国株式市場に投資した方が手間が省けるというものです。
どうして、日本株は、こうなってしまったのか。
今の株式市場は、外国人投資家が半数を占めているかもしれません。
だから、米国株式市場に連動するのは、当然かもしれません。
残りは、個人投資家と「その他」でしょうか。
昔と違うのは、日本の機関投資家の影が薄くなったことです。
昔は、個人投資家は、「ゴミ投資家」と言われていました。
巨大な機関投資家に対して、微々たる個人投資家という意味で、
「ゴミ投資家」と言われていたのです。
21世紀になってからでしょうか。
株式市場から、日本の機関投資家の影響力が消えて、
代わりに外国人投資家の影響力が強くなったのは。
日本の機関投資家は、「バブル崩壊」、その後にあった「ITバブル崩壊」に、
さすがに懲りて、株式市場から逃げ出したのかもしれません。
最近は、こうした問題に加えて、「先物問題」があります。
先物は、本来、リスクヘッジのために存在するはずですが、
現状では、先物が株価を左右する道具となっています。
先物主導で日経平均株価が急上昇したり、翌日は、全く逆の動きなったりします。
極端なことを言えば、先物を使って、日経平均株価を人為的に操作できます。
さて、今後、日本株は、どうなるのか。
プロ野球と同じように、最近は大相撲と同じように、
「外国人頼み」が続くならば、
米国株式市場に左右される日が続くでしょう。